査読コメントへの対応:対立しない自信の持ち方

多くの著者にとって、査読コメントを受け取ることは、論文投稿プロセスの中でも特にストレスの大きい段階です。数か月かけて完成させた原稿に対し、疑問や指摘、修正の要望が返ってきます。この段階では、却下を避けるためにすべてのコメントに同意するという慎重な対応を取る方も少なくありません。しかし、その姿勢は理解できる一方で、必ずしも最も効果的とは限りません。

よくある懸念

査読コメントはプロセスの重要な一部ですが、それが絶対的なものではありません。専門家としての意見ではあるものの、必ずしも唯一の正しい解釈とは限りません(1)。

コメントの中には、研究デザインの誤解や方法論上の考え方の違い、あるいは研究本来の目的や範囲を超えた要望が含まれることもあります。そのような場合、すべてを受け入れてしまうと、原稿の一貫性が損なわれたり、本来の目的から逸れてしまう可能性があります。論文の改訂の目的は同意することではなく、内容をより明確にすることにあります。

適切なバランスを見つける

優れた回答文は、専門性と自信のバランスを保っています。査読者の指摘には適切に対応しつつも、著者自身の意図や根拠を明確に示すことが重要です。

過度に同意的な対応は、不必要な修正や不整合を招くことがあります。一方で、否定的すぎる回答は改訂全体の印象を損なう可能性があります。最も効果的なのは、礼儀を保ちながら、明確で論理的に裏付けられた回答です(2)。

コメントに対する回答の考え方

効果的な回答に共通する点の一つは、すべての査読コメントにきちんと対応していることです。コメントを見落としたり省略したりすると、不要なやり取りや遅延につながることがあります(3)。

提案に従わない場合には、その理由を明確に示すことが重要です。研究デザインや方法論、関連文献に基づいた具体的な説明は、一般的な反論よりも説得力を持ちます。

また、言葉遣いも重要です。過度に慎重な表現は、根拠が十分であっても自信のなさとして受け取られることがあります。簡潔で明確な表現は、著者の意図を正確に伝える助けになります(4)。

近年、査読環境も変化しています。投稿数やジャーナル数の増加に伴い、査読者の専門性や期待にはばらつきが見られるようになっています。このような状況では、原稿だけでなく回答文においても、より明確な説明が求められます。

EXCEL Editingができること

EXCEL Editingでは、査読コメントへの回答文作成を数多くサポートしてきました。単にコメントに対応するだけでなく、著者の意図を的確に伝える、明確で説得力のある文章に仕上げることを目指しています。

改訂とは、単なる同意のやり取りではありません。明確なコミュニケーションを通じて、研究の質を高める機会です。

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References

1. Wong GLH. Tips for responding to reviewers’ comments—from an editor’s or reviewer’s points of view. Gut Liver. 2019;13(1):7-10.

2. Seals DR. Publishing particulars: Part 3. General writing tips, editing, and responding to peer review. Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol. 2023;324:R409–R424.

3. Cushman M. How I respond to peer reviewer comments. Res Pract Thromb Haemost. 2023;7:e100120.

4. Efron N. Ensure your paper gets published: ten tips for responding effectively to reviewer comments. Clin Exp Optom. 2025;1–5.

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